今は亡きサベナ・ベルギー航空のグッズ。(航空機と機内グッズがマグリットの絵なのです、一度乗りたかったなぁ)
因みにルクセンブルク直行便は小松空港から出ているそうで(でも観光便じゃなくてカーゴ)、
すんげーマイナーな国への空の便がすんげーマイナーな日本の一空港から発着していることを
後日知り、抜け目ないなルクと思いました。
巨匠のパイプ。
マグリットといえば「これはパイプではない」が有名です。
林家ペーパー夫妻にも引け目を取らぬ勢いで写真を撮りながら(実際ここで100枚以上撮ってた)、
出立前に800枚撮れる2GBのSDを買った自分を褒めてやりたいなとか思いつつ。
3F:
アトリエ。
でもマグリットはキッチンで絵を描いていたそうです。
恐るべきは彼、背広で絵を描いていたことだと思います。
いつもと同じ時間に起床、食事、散歩、仕事、食事、仕事、食事、就寝。
私は、変わらない日課に、超現実的(シュール)な世界を構築し続けたことにとても関心を持つのです。
狂気の母は身を投げた川から見つかり、十字を夢中で切りながら墓場で遊んでいた少年の過去は、
真意はどんなに長年好きでも一生わかりません。
ただ、ただならぬ昔から、堅実な、堅牢過ぎる日々を送ることを切に願い、過ごし。
愛した幼馴染と遊園地で運命的再会をした青年デザイナーからの世界的画家へ。
安泰な毎日の影でも沸き起こる不安を、また狂気を絵画にこめたとしたら。
昨年お亡くなりになしました千葉大の西洋美術史教授、若桑みどり先生の考えではありますが、私も同じ意見です。
ちょっと感傷的になりながら2Fに戻り、
ショップでポストカード数枚とマグリット美術館(ここ)のガイドブック本(蘭語:Amazonの洋書にもあります)を購入。
さっきのおねーさんと、おじいさんともう一人おねーさんが「マグリットファウンデーションがなんちゃら」とか
財団の不透明なお金の使い方の話していました。
(ここで英語が少しは理解できることに気付きました)
「1Fへ下ります」とおねーさんに声を掛けると、おねーさんが誘導。
1Fで「いくつもの彼の作品のモティーフがここにはある。
この壁も、このシャンデリアも椅子も、あなたのようにここにわざわざ来た人にはわかるわよね」
と指をさしてゆきます。
1F:
この壁も、この暖炉も作品に出てきます。
ありえない世界を生み出すのが、当たり前の毎日。
発想を覆す思考。
やっぱり私は彼の作品を好きで良かったと思いました。
説明の終わったおねーさんは次の来客が来たのを確かめ、「じゃあね」と手を振り行ってしまったので中庭へ。
マグリットの飼っていた鳥小屋や、庭園、アトリエ兼物置き場などをゆっくり見つつ、家を後にしました。
気付いたらお昼、2時間あんな狭い家に居たんだと関心。
やっぱ好きなんだなと、お爺さんにベンチを譲りつつ「メルシー」と会話しつつ
グランプラス周辺へ向かう81番のトラムを待っていたのですが一向に来ませんがな。
(あとでお聞きしたんですが廃止された模様で…)
結局、30分程待ちましたが全く人がいないことに不安になり(車は多かったよ)一個先のトラム駅であった
「ドゥ・グリーフ」まで歩き(大した距離ではない)、ロワイヤル駅で下車。
ボタン押してもドアが開かないことに焦った焦った。
降り立ったがロワイヤル広場、つまり中心地です。
見ろよ…空がバカみたいに青いんだぜ…。
興奮して実家に電話をすると、「ドカ雪ですが何か」と返ってきました。
さてお次は
王立美術館ヽ(´ー`)ノ
スチューデントパスという世界共通の学生証があるのですが、私は当時学生でしたが申請しておらず(卒業間近でしたし)、
「大人料金でも仕方ないなー」とチケットカウンターへ並ぶと受付のおば様が「あなた学生?」と聞いてきたので
「イエス、アイムジャパニーズユニバシィティスチューデント」
と本当に単純な英語で日本からうっかり持ってきていた学生証を出すとなんと割引に。
なんでも一応は出してみるもんだな…と思いつつ中へ入ります。
館内撮影禁止かわからず微妙だったんで撮影はしてないよ!
まずは古典部門でブリューゲルなどを見ます。
去年、上野でベルギー王立美術館展をやったのでかなーりの勢いで見知った作品が多くお久し振りですねッ
という作品が多くてなぜかちょっとホッとした。
そして近代部門。
…事前に情報を手に入れていたのですがマグリットの別館を作るためにマグリットの作品が2点を除いて貸し出し中('A`)…。
代表作、『光の帝国』を視姦注意深くじっくりと見つつ鬱々としながら、
クノップフの面白絵画([Link])やデルヴォーなどを見て心をとりなしつつ、地下から再び地上へとぐるぐる回っていきました。
古典部門と近代部門を結ぶコリドーの外れにあった
「ここにマグリット用の部屋が2009年に出来るからねッ」
と2007年完成だった予定遅れに遅れている工事の念押しみたいなのを見て
「じゃあ今度来る時には絶対完成しろよッ!ぜってー来っかんな!!
おぼえとけちくしょー」
と心の中で念波を送っておきました。
そしてミュージアムショップで図録やら、トレイやらポストカードやら買い漁っていると早いものでもう15時。
絵を見ていると時間を忘れてしまい、勿論のこと昼飯も忘れていましたが、
この国に来て未だチョコレートとワッフルとフリッツ食べていない事に焦りだしました。
なんのための美食の国だよ!(ツッコミ)
アルベルティーヌ広場と芸術の丘を通りながら昨夜歩いたアーケード街、ギャルリー・サンテュベールへ。
ノイハウスで適当にバレンタイン用にチョコレートを買い、
レジのおねーさんに「ルネ・マグリットコレクションって置いてないんですか」と訊き
「もう随分前に廃盤なってますねー」と言われ佐田がっかりんこ(´・ω・`)
益々背中を丸めつつ、イロ・サクレ地区(通称くいだおれ横丁)を通り、市内散策。
よく言われることですが隣国オランダと比べ、平均身長がぐーんと低くなるのですよ>ベルギー
隣国なのに不思議だねと思ったんですが、よく考えたらオランダはゲルマン系が多く、ベルギーはゲルマン系にラテン系が入ってるんですよね。
かわいいのかかわいくないのかな兎しゃん。
途中でチョコレートソースてんこもりなワッフルを食べました。
都市とは言えこの価格、日本じゃ絶対無理だろうなと思いながらハフハフザラメうめぇ!
そしてまた歩きフリッツを頼み、マヨネーズだくだくの山盛りのフリッツをフリッツスタンドでうめーんだけどさぁ!
泣きながら食べていました。
本当に半端じゃないんですわ、写真撮ってこなかったけど
マックのMサイズポテトの6個以上余裕で量あったんですって。
どうりでこの国の人間が周辺国と比べて肥満が多い理由がわかったぞ。
黒人さんが口ケンカする横で、泣きながらも意地汚いのでモリモリ涙目で食べていたら隣におばあさまがやって参りました。
相席で、「あなたも旅行客?」「はいそうです」と適当にフランス語と英語を交えて会話。
おばあさまも山盛りフリッツを食べていたのですが、私が食べ終わる前にペロッと平らげ去ってゆかれました。
「これが幾多の日本人サッカー選手の道を阻んだヨーロッパの壁か…」
とわけのわからんことを感心しながらやっとこさ食べ終わります。
見上げるともう夕方。
ワッフルとフリッツでもうご飯いいや、昨日ベルギービールとムール貝食べたし。
神田にベルギー料理の店あるし。
なんとも大雑把な思考でと近くのスーパーでボルビックとギリアンのチョコレート(実家の従業員さん用)を買い、中央駅へ。
地下鉄で路線図を見ていたら駅員さんが「ニィハオ」と声を掛けて来ました。
ここで始めて、ベルギー人である灰色の頭脳エルキュール・ポアロがフランス人に間違えられて怒った理由が理解できました。
隣国とはいえやっぱお国を間違えられるのは嬉しいもんじゃないわな…特に昨今の中国人とは。
佐「ちっげーよ、日本人だよ。フランス語は日常会話しか無理だよ、英語しか喋れないよ。」
駅「おー、日本人かい。ボク東京行ったことあるよ、秋葉原とても近未来的な街だね」
「さっさと用件を話しやがれ、私はもう帰るんだよ地下鉄で」
と心で旅中での人の親切を思いっきりうち棄てつつ聞いていると
駅「で、どこ行くのお嬢さん、すんごく泣きそうだったけど」
…なんだ、と…?
確かに私は単独行動が多い癖にそういう顔(寂しげな顔)をしていることが多く、
そういう意味ではいつも救われている気がしますがベルギーでもか。
佐「大丈夫っスよ。パルクでどう乗り換えればいいかちと悩んでたんですわ」
駅「地図あげるよ。パルクだったら下りて上のフロア右で乗り換えるといい」
と地図をペンでチェックしながら教えて下さいました。
おじさん邪険にしてごめん!助かった!と心の中で思いつつ満面の笑みで手を振り、
駅員さんの誘導によりしっかりとボタニック駅へ。
ホテルへ帰り、風呂。
ボルビックを飲みながら、1日目の高カロリーオレオをちょっと齧りました。
[あんな事件]があったにも関わらず懲りずに「DEATH
NOTE」が放映中で、
日本もこれくらいの図太さあればいいのかなぁと思いながらいつの間にか寝ていました。
因みにオランダやドイツは漫画が好きなベルギー人を小馬鹿にしているそうです。
フランスはどっちかというと芸術的に評価してるそうで愉しんでいるのはベルギー人。
漫画は子供の文化で、オランダではミッフィー(蘭語でナインチェ)は赤ちゃんのものという考えだそうです。
確かにオランダはアニメやってなかった。
そういう意味では真にニホンちゃんと近い感性を持ってる白人はベルギー人かもしれませんね(
´ー`)y-
そんなこんなでいつの間にか寝ておりました。
市内散策もさながら、長年の夢を叶えた所為なのかその日の寝つきは早かったのです。